来週、園芸カレッジの修了式があるということで、少しだけ福井に来たことについてのまとめを頭に浮かんだ順につらつらと。
よく人から『福井に来て(移住して)よかったか?』と聞かれるのですが、悪かったら、たぶんさっさと引き上げています。(笑)
何がよかったかと言えば、やはり独立をサポートしてくれる人がいたというところ。逆を返せば、福井でなくても、独立をうまくサポートしてくれる人や機関があれば、移住して良かったとなると思います。
福井じゃなきゃ、絶対にダメ、っていうところが無いので、手放しに「(福井に移住して)よかったよ。」と言えないところがつらいところですが、先ほども書いた通り、いい出会いがあって今に至っていますから、私の中では福井に移住して正解だったと思っています。
これから先、福井に移住したいという県外の人にアドバイスをするとしたら、農業をするにしろ、他の仕事をするにしろ、現地でサポート(一番いいのはメンターと出会うこと)してくれる人を作ることが大切だと思います。これはどの都道府県に移住する場合でもいえるかと思います。
福井で農業を始めるのはどうか?という点については、まだ結果が出ていないので、何とも言えませんが、分かりつつあるのは以下の通り。(箇条書き)
- 農地は余っているようで余っていない
(余っているところは農地として使えないところがほとんど) - 園芸も主要品目であるトマトはほぼ飽和状態。ネギも飽和状態になりつつある。
(需要に対して供給過多。売り方を考えないと生き残れない) - 果樹については、梨畑はどんどん減っていっている。後継者はちらほらと出現しているが、後継者と現生産者とのマッチングがうまいこといっていないため、梨の木を切り倒しておしまいにしているところが多い。
ぶどうについては、ものすごい勢いで生産面積が拡大している。新規で参入してくる人が多いが、売り先を確保していなければ、大変なことになりやすい。 - 県の耕種基準に乗っ取った生産計画を立てなければ、補助金は出にくい。独自の生産計画を立てて補助金を得る場合は、かなりしっかりとした根拠が必要となる。またその根拠を農林事務所が把握していなければいけない。
- 県の農業に関する目標があいまい。現場レベルでは頓珍漢なことをしているので、福井県全体の売り上げを上げるのは難しい。(個人で努力するしかない)
- (上記にも関係するが)地域と行政との繋がりが弱い。
- 物流・流通が弱い。小規模農家はJAもしくは大規模農家とタッグを組んで売り先を開拓していく必要がある。もしくは、商品価値を上げ、特定の顧客を囲い込む必要がある。
- JAの影響力が強い。JA出荷を基準とした計画を立てれば、新規就農しやすい。
- 年々、日本政策金融公庫からの借り入れが難しくなってきている。特に今年は園芸カレッジ卒業生第1期目の就農5年目(平成28年3月卒業)にあたるという。認定新規就農者の条件である5年目の所得が250万円以上である卒業生の割合によっては、借り入れが難しくなる恐れがあるという。
- 人は確保しにくい(有効求人率が高い)。本来ならば雇用無しで考える必要があるが、雇用を入れた計画でないと実現性が低くなる。
- 手厚い補助金。県外出身者だともらえる補助金も多数ある。
福井県の状況はこんな感じでしょうか。新規就農のしやすさはあるかもしれませんが、農地やお金、人の確保といったところで躓くことが出てくると思います。
福井県で移住して農業をする利点は、手厚い補助金です。たぶん他の県では考えられないほどの補助金が出ています(らしいです)。
補助金の使い方次第で、就農のしやすさも変わってきます。
あと以前は園芸カレッジの”経営を学べる”というところも魅力の一つだったのですが、今年からだいぶ内容が変わったので、外しています。
だらだらと書いてしまいました。
それではこの辺で。