ヘタレのやなさん

坂井市三国町で農業をして気ままに生きている記録です

野菜の在庫が溢れている割に安くならないのは何故かを考察

野菜の在庫が溢れ価格が下がっているということで、とある記事のコメントに「在庫が溢れている割にはそんなに安くない」というのを見ました。

 

在庫が溢れている割に安くならないのは、売る量を調整しているからだと思います。つまり、小売店は極力買わないし、中間業者も買わない。下手に安く買っても売れなければ損失になるからです。

かといって、小売店ではある一定量はある程度新鮮なものを置いておきたいという思惑があるので、ある程度は買います。でもほとんど売れ残るので、損失になります。

損失になるぐらいなら、もっと値段を下げたらいいのでは?と思うかもしれませんが、値段を下げて全部はけたとしても、ある一定量は店頭に並べておかなければいけないということから、全部はいてしまうと新たに仕入れる必要が出てくるので、かえって損失が大きくなります。なので、ある線で値段は下がらないままになります。

 

中間業者も、小売業者が買わないので、在庫を抱えないようにしていきます。かといって、全く受注がなくなるわけではないので、ある程度は在庫を入れます。

 

で、一番在庫を抱えるのは農家だったりします。一定数常に購入してくれる販路(固定客)のある農家であれば、在庫をはけるのかもしれません。それ以外は、ほとんど廃棄になります。

 

道の駅や直売所で売ればいいやんっていう声もありますが、道の駅や直売所も溢れかえっています。その中で選んでもらうのは結構大変です。POPとか目立つ工夫をしたら?とアドバイスを頂いたのですが、一回、道の駅や直売所で丸一日立って見てから物を言ってください。基本的に買っていく人は、一番手が届くところから買っていきます。直売所や道の駅でよく売っている農家さんは常に自分の商品が一番上の手に取りやすい場所になるように出荷します。出荷数も多いので、一番目立つ場所には常に抑えられてしまいます。

 

余力があるのであれば、ケンカ覚悟で競ってもいいのですが、全くメリットがありません(苦笑)。仮にいい場所を確保したとしても、すべてが売れ切れるわけではないので。売れないものは売れないという認識を持つことが大切な気がします。

 

それに、さっさと廃棄したほうが次の作物に時間を入れられるというメリットが出ます。頑張って赤字を減らそうとして、たくさんの時間を使ってしまい、次の作物に影響が出てしまったら意味が無いです。どこで損切りをするか、判断することが大切な気がします。

 

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11月25日出荷分精算通知書

上の画像は大根の11月25日出荷分精算通知書です。ちなみに控除額明細と振込額が税込みになります。(残りは税抜きなので注意)

11月25日は29箱出荷しました。

運賃や手数料が全部で2,868円(税抜き)なので、1箱当り約99円。

出荷用の箱は別に購入しなければいけませんからここには入っていません。箱代は125円/箱。

肥料代が、127円/箱。農薬代が、143円/箱。種代が45円/箱。その他諸経費円20円/箱・・・。だいたい560円/箱以上の売上が無いと利益が無いことになります。(人件費含まず・・・です)

つまりこの通知書の内容だと、Lサイズ以外はすべて赤字になります。

 

赤字になるのに何で出したのかというと、すでに出荷用の箱を買ってしまっていたので、箱をすべて使い切りたかったからです。箱を来年まで残すのは邪魔だったので。

 

やっぱ、きびしいなぁ~

それでは。