ヘタレのやなさん

坂井市三国町で農業をして気ままに生きている記録です

補助金目的なのか

ちょっと自分のことも振り返りながら、補助金目当てで就農したのかというところを少し考察します。

 

福井へ移住するとき、私は自己資金として200万円を用意していました。でも、カレッジや福井県としては、自己資金は最低でも500万円ないと就農は難しいよと言われたのを覚えています。しかし、自己資金0で就農した人もいるとの事で、200万円の自己資金でも入校を許可されました。

 

必要な自己資金って、あとから思ったことですが、自分がやりたい農業、経営によってだいぶ変わってくると感じます。変な話ですが、近所で道具とか全部借りられるのであれば、自己資金0でもいけるかもしれませんし、1億円持っていても足りないというパターンもあるでしょう。例えばの話ですが、オランダ式の温室で、水耕栽培によるトマトを生産する場合、最低でも1棟当たり5000万円必要になってきますし、採算を取ろうと思えば、少なくとも3棟以上立てないといけない計算も出てくるので、そうなれば自己資金は最低でも1億5000万円必要になるという感じになろうかと思います。

(ざっくりの試算なので、細かいとこは置いておいてください)

 

結論になるのですが、自己資金というのはあればあるほどいいけれど、これだけあれば絶対に安心というのはないと思うのです。逆に考えれば、状況的に自己資金がゼロでスタートしなければいけないとなった場合、自己資金ゼロでも始められる方法はないのかという発想で、準備が出来る人は自己資金ゼロでもスタートが出来ると思うのです。

 

で、補助金ですが補助金目的で就農する人が増えているということで、補助金をもらっている私も、厳密にいえば補助金目的で就農した一人と言えます。だって、合法的にもらえるのですもの、何か問題があるのかという話なのです。

もちろん補助金をもらっておきながら、農業をしないっていうのであれば、それっておかしいよねってなるかと思います。補助金目的であったとしても、農業をするのであれば、支援として行政が補助金を出すことはものすごく正しいことだと思うのです。

 

で、補助金目的の話で出てくるのが、素行の悪い研修生や、トラブルを起こす研修生の問題。私についての周りの評価は、どんな感じなのかは分かりませんが、農業委員に「柳澤に農地を売るな!」と言われた話もあったので、良い就農者と評価されていないと思います。なので、補助金目的で就農した一人と捉えられても仕方がないでしょう。トラブルを起こす就農者なのかもしれません。

 

ただ、自分の中では、不器用ながら、借りた農地を何となくですが運用していると思っています。完ぺきではないし、無駄は多いかと思いますが。

もちろん農業技術をしっかり持っている人が、農地を借りて運用したほうが効率がいいかと思います。また資本力のある法人が農地を運用したほうが、生産性が上がるでしょう。

 

でも、丘陵地の現状を見てみてください。資本力のある法人で撤退したところは無かったですか?法人が管理しなくなった農地はきちんと運用されているでしょうか?
運用出来ていない農地は、農業技術のある人が借りて、運用可能な状態にしていますか?

 

この疑問、今のところ、すべていいえになると思います。これが現状です。

 

法人化して大規模に農業をやろうとしても、経営に失敗したら、農地はほったらかしになります。

 

長年運用せず放置された農地は、運用可能な状態にするためにはかなりのコストがかかるため、農業技術のある人は採算が取れないのを見抜いて絶対に借りることはありません。借りるのは知識のない新規就農者等になります。これが現実です。

 

技術があろうが、資金があろうが、やらないのであれば、あっても意味が無いのです。意味が分かるかな?

 

少しでも農業がやりたいのであれば、補助金目的でもいいかと思うのです。「補助金がもらえて、いいわねぇ~」って言われても、(あんたたちがやらないから代わりにやっているんだよ)という言葉を心の中で言えばいいだけの話なのです。何も恥じることはない。

 

そして、仕事が無くて困っている人、少しでも農業に興味があるのであれば、補助金目的でもいいからチャレンジすべきだと、私は思うのです。

 

それでは。