ヘタレのやなさん

坂井市三国町で農業をして気ままに生きている記録です

「農地がない」問題の奥にあるもの

今日は、意外と暖かかった感じがします。

 

Re:Hackの番組を見ています。いや~、成田先生もひろゆきさんもパンダさんも、森下さんを育ててあげようっていう優しさがあるなぁ~って思ってしまいました。

知識や教養のある人との話っていいですよね。私の場合、アホなのでそういった人と話をすると、ちょっと賢くなった気になってしまいます。

 

また『農地がない』について話をしますね。(しつこい?)

以前のブログでも書きましたが、私の思いとしては、農地がないために就農が出来なかったり、希望する所得が得られるだけの面積が手に入らなくて焦燥感に駆られ、不幸になるような人を一人でも多く無くしたいのですよね。で、農地が無いんだったら、就農希望者を集めるなよ、農業を希望する移住者を福井へ連れてくるなよっていう考えなんです。(この考え、間違っているなら指摘してくださいね)

 

で、何故、農地がないのかというと、いくつか理由があって。

  1. 法人や大規模農家さんが規模を拡大していく
  2. 使われていない農地がずーっと放置されて使えなくなる

1番は仕方がない。2番は一見、農地が余っているように思うんですが、長年放置されていた農地って、再び作物を育てようとしても育てられない場合が多いのですよね。うちの場合、数年使われていなかった農地だったのですが、これをトラクターで耕うんしたら、土の中から車のタイヤが出るわ出るわ・・・ゴミだらけなんですね。で、作物を植える前に土の中のゴミを取り除いていかなければいけない。業者に地中のゴミやタイヤの処分をしたらいくらぐらいになるか?と見積もり出してもらったら、25万円近くするんですよね。生産と関係ないところで払えます?うちの場合は農地の面積が小さいのでこんなもんの金額で収まりますが、広い農地でひどいところだとボロボロの車や家電がそのまま捨てられていたり、大きな木が埋まっていて農地として使う前に木を伐根しなければいけなかったりで、云十万、云百万円がかかってくると思います。ちなみにですがこれらのお金は補助金で支払うことは出来ません。自腹で支払うことになります。

 

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うちの場合は、結局、自分で土の中からタイヤを掘り出して、今、ハウスの周りに放置しています。少しずつですが、業者に持って行って、お金を支払って処分してもらっています。(大量に持って行くとお金がかかるのと引き取ってくれないときがあるので)

 

農地の問題が解決できないのであれば、受け入れちゃダメなんですよね。

 

で、ここで話は変わるんですが。

 

実は「農地がない」っていう問題は、日本全国どこにでもあるんです。ただ何故表面化しないのか。それは行政がどれだけ地域の人たちとのコミュニケーションをとっているのかで変わってきます。だいぶ前に鳥取のネギ農家さんの話を聞いたことがあるのですが、そこでは農業を志す人を行政から依頼されて受け入れているんですよね。いわゆる里親制度とよく似た感じなのですが、就農予定者のための農地の確保の仕方が違うんです。鳥取の農家さんの場合は自分の農地を受け入れた研修生に分け与えて、減った分を行政が新たに見つけたところを使っていくっていう感じなんですね。こうすることで、就農後、すぐに作物を育てられ経営が出来る。

これをするには、行政と農家さんとの信頼関係がないと無理で、今の福井ではそれが出来ない。というかやろうとしていない。やらない、出来ないのであれば受入れなんてやっちゃだめだと思ったりするんですが、何もしないので、結局里親さんとなった農家さんや地域に問題を丸投げにしてしまうんですね。いい里親さん、いい地域の方であれば、なんとか進むかもしれませんが、そうでなかった場合は・・・。

 

そういう意味では、梨の新団地構想は、ものすごくいい話なんです。仮にまとまった土地が出来て、梨団地が完成したら、そこに新規就農者に使ってもらえるような仕組みを作るだけで受入れがしやすくなります。(仕組みを作れば・・・が肝ですけど)

 

とはいえ、たぶんやらないだろうし、出来ないだろうなぁ・・・と思うんですけど。
まぁ、しょうがないか。それでは。