ヘタレのやなさん

坂井市三国町で農業をして気ままに生きている記録です

誕生日に思うこと

少し雪が積もりました。

 

今日は誕生日なのです。46歳。いや~、もうじき50とは・・・あまり実感がありません。

昔は普通に仕事をして、結婚して家庭を作って、子供が出来て・・・っていうのをイメージしていたのですが、すべて真逆になっていて、今思うと面白いなぁと笑ってしまいます。そもそも普通って普通じゃないのかもしれませんね。

今はともかく生きる力というか、どんな状況でも逃げ切れるようにしたいと考えています。下手すればサラリーマン時代よりも今のほうが生活が安定しているんじゃないかな。サラリーマンの時は上司によって給料が激減することもあったし、それでローンを支払ったら生活費が無い・・・っていうこともあったし。自分でコントロール出来るので納得感は大きいですよね。

 

少しずつですが、やりたい事というかやらなあかんと感じることが出てきました。昨年1年で痛感したのは、路頭に迷うような新規就農者を出さないようにしなければという思い。昨年は農地が無くて、前半半分鬱気味でした。夏になってようやくまとまった農地が借りられたので、少しホッとしています。まだその農地で作物がうまく作れるかは分からないのですが、農地がないよりかなりマシです。

 

就農したときに里親向けの研修に参加したとき、熊本からやってきた講師が「借金を出来るだけしないような就農をさせてください」と話した時には、福井県とやっていることが違うやんどうなってるねんという怒りがこみ上げてきました。今となれば、今後、農地が手に入らなくて収益が伸びないっていうパターンが出てくるので、それを考えると借金をしないほうが楽に生きられるかなっていう思いです。ただしですが、補助金と日本政策金融公庫から無利子の融資を受けられるのであれば、借りたほうがいいです。借りちゃダメなのは有利子負債。無利子の場合は、仮に収益が少なくとも他の仕事をすることで返せる目途があるのであれば返しやすいと思います。

 

あと最近目につくYouTubeやブログでの話。農業は素晴らしいっていう発信をしたいのは分かるのですが、まず現状を知ってほしいと感じます。新規就農者に立ちはだかる壁は大きく3つあって、一つは住居、そしてお金、そして農地です。技術・・・云々もあるのですが、住む場所がなければ働くことが出来ません。お金がなければ材料が買えません。農地がなければ作物が作れません。すべて技術以前の話なのです。これ理解できている人ってかなり少ないのではないかと感じますね。

 

農地がほとんどない現状、新規就農者、とくに移住しての新規就農者の受入れは路頭に迷う可能性が高いので、極力受け入れるべきではないと思うのです。農業以外にも収入がある半農半Xであるならば話は別ですが。

 

あと食料自給率の話や農家の高齢化、離農する人が多いというところで農業にチャンスがあるって思わせて情報を発信している人もいますが、これも現状をちゃんと勉強するべきです。農産物の価格は年々下がってきています。それは何故かというと需要より供給が上回っているから。少し考えたらわかるシンプルな話なのです。今後、どんどん人が減って農産物を作る人が少なくなるっていうのは正しいですが、一人当たりの生産量は減った人以上に上がっているので、全体的には毎年の生産量は変わらないか、やや上がってきているはずです。これも理解している人が少ないような気がします。この現象は技術が向上する限り続くので、おそらくですが農産物の供給が少なくなるっていうのは天候や災害、疫病、物流といった他要因が絡まない限りは起きないのではないかと思ったりします。

また需要である人口も減り続けます。食品ロスという大きな問題も出てきています。農産物の価格が低下する現象は、物価が上がっても続くと予想されるのです。

 

と、少し怒りモードで書きまくっちゃいましたが。ごめんなさい。

 

昨年は、出来るだけ孤独になろうとしました。もともと一人が好きなのもありますが、Facebook等のSNSでの交流もほとんど無くなりました。それでも、私を気にかけてくれる人もいるので、感謝ですね。うれしいです。

カレッジで私を紹介されることはまずないので、カレッジ生が私にたどり着くことはレアポケモンを見つけるぐらい難易度が高いと思いますが、それでも私にたどり着いてくれた人には、いろいろと知っていることを教えてあげようと思ったりします。また教えるだけでなく、教えてもらうことも。やはりカレッジから紹介されてくる人より、自分の力で私を見つけて訪ねてくれる人のほうが熱心に学ぼうという姿勢があるように感じますね。うちの里親さんが私を里子に受け入れた理由「君は熱心に私の畑を見に来てくれたから。」これ、今となればすごく分かるのです。熱心に学ぼうとする人は、人に教えるのもうまいし、またよく勉強していると感じますね。

 

今年は3年目。昨年は売上では大赤字ですが、補助金を入れるとやや黒字。今年こそ黒字にしたいですね。

 

長々とありがとう。

さて梨畑に行きますか。