ヘタレのやなさん

坂井市三国町で農業をして気ままに生きている記録です

政治家や評論家の食料自給率と農家が言う食料自給率は違う

冷蔵庫の中のような寒さですね。

 

さて、またまた食料自給率についてです。YouTubeで政治家さんや評論家さんが話す食料自給率と農家や農家を目指す人が話す食料自給率の問題は根本的に違うと感じます。

 

政治家さんや評論家さんが話す食料自給率の問題は、もし日本に海外からの食料が入ってこなくなった場合、どうするのか?ということ。で、農家さんや農家さんが目指す人が話す食料自給率の問題は、偉い人が日本の食料自給率が低いから大変だと話しているので、少しでも生産を増やす必要があるということ。

 

これ、だいぶ問題の視点が違うんです。(本質は同じと話す人もいるのですが、本質も全く違います)

 

前者は日本という大きなもので考えていて、後者は個人という視点で考えているということ。また前者は海外からの食料が入ってこなくなることによる日本の危機をどうするのかという問題なのに対して、後者は個人の利益について問題になります。本質が全く違います。

 

仮に食料自給率が低いのでたくさん農産物を作る必要があるとしたら、何故、スーパーの青果コーナーにあふれるぐらいの野菜があるのか。食料自給率通りに供給量が低いのであればすっからかんになっているはずなのです。食料自給率が日本国内の野菜の供給量とリンクしているならば。

 

それは海外から安い野菜が入ってくるから。という話もあるのですが、例えば私も生産している「大根」を例に出しますが、海外産の大根ってスーパーで見たことありますか?加工したモノや缶詰、保存食で使われているかもしれませんが、スーパーに陳列されている大根ってほぼ国産だと思うのです。これは検疫の問題であったり、関税の問題であったりで海外の大根が日本の市場に持ってきても利益にならないから。海外からの品物がなく国産であふれている大根は確実に国内生産で供給過剰になっているのではと推測できるのです。

 

ある時期によると大根はスーパーの陳列棚から少なくなります。この時は大根の価格が上昇するのですが、これは何故かというと、国内の産地で大根を出荷できるところが少なくなるから。仮に海外産の大根があるとするならば、供給が減る時期に並ぶと思うのです。(少しは海外産の大根はあるかと思いますが、スーパーに陳列できるほどの量は入ってきていないと感じます)

 

とはいえ、大根の輸入は少しずつ増えているみたいなんですけどね。

 

だいこんの生産・輸入等の動向に係る実態調査(その1)-2005年6月

 

食料自給率と食料の供給量がリンクしていると勘違いしている人が多いような気がします。勘違いしたまま農業の世界に飛び込めば、思ったほど利益が出ないということになりますよ。

 

それでは。