ヘタレのやなさん

坂井市三国町で農業をして気ままに生きている記録です

福井県内の就農のしやすさ(2020年10月時点)

今回は、現時点での福井県内で新規就農のしやすさを、私なりにまとめておきます。
状況は常に変わってくるので、変化があればまたその時に変化点とか書いていきます。

福井県って、地図で見る以上に広いです。
同じ県内でも気候が違うので、作れる作物も変わってくる場合があります。

 

私が住んでいる三国町は、海沿いに三里浜砂丘地、あわら市との境には坂井北部丘陵地が広がっています。昔は水田ばかりだったらしいですが、丘陵地や砂丘地の開発に伴い、畑が増えてきたようです。

さんりはま | 三里浜砂丘地農業支援センター

丘陵地農業支援センター | あわら市と坂井市三国町にまたがる坂井北部丘陵地の次世代農業と産地再生を目指して・・・

 

福井県の中では、坂井北部丘陵地や三里浜砂丘地は園芸に力を入れている地域で、農業を新規で始めるのに適した地域になります。

 

他の地域は、あまりよく分かっていないのですが、基本的に福井県は水田が多いです。その為、畑作をしたい場合、就農地を選ぶ選択肢が狭まったりします。

最近は水田を畑に変えているところもあるので、資金があればどこでも畑作が出来るのかな?と、素人考えで思っています。(汗)
(水田を畑にするには、客土といって土を入れて畑に適した環境を作ることがあります。その場合、かなりのお金が必要になるという話です。)

 

最近は小浜など、嶺南地域での新規就農者の受け入れ支援が活発と聞いています。ふくい園芸カレッジがある丘陵地と環境が違うので、作れる作物が違う可能性がありますが、丘陵地や砂丘地とは違った形での支援が受けられる魅力があります。
嶺南は大規模法人が多いようです。そういった法人と行政が手を組む形での支援があれば、新規就農者が増える可能性がありますね。

 

坂井北部丘陵地も、少しずつではありますが、大規模化する農家が増えつつあります。そういった農家と行政が手を取り合えば、新規就農者は増えそうですが、現状は難しい感じがしますね。今は作物を育てにくい耕作放棄地が増える一方、作物を育てられる条件の良い土地は大規模農家が囲いこむいう構図になりつつあります。つまり新規就農で、すぐに農業が出来る空いている土地は少ないということ。まぁ、このあたりは誰が悪いとかいう問題ではなく、行政やこの地域に住む人が思う、将来この地域をどうしたいのかというビジョンの中で選んできた結果なのかなと最近感じます。
(農家の大規模化と農地の再編がビジョンとしてあるのでしょう。たぶんその中には新規就農者を増やすは入っていなく、新規就農でも大規模化できる人材を求めているという感じです。)

新規で丘陵地に入ってくる法人は、数年で撤退しているところが多いようです。撤退する理由は個々様々だと思いますが、法人による農業経営は結構厳しいのではないかと思います。(農産物の生産は工業生産と違い、毎時定量定数定価格にはなりにくいです。生産以外の利益の出し方を考える必要があるかと思います。)

 

三里浜砂丘地も大規模化している農家さんは居ますが、まだ丘陵地のような感じではないようです。(就農は比較的しやすい)
ただ就農後の営農は結構厳しいと聞きます。砂丘地は主にハウス栽培になりますが、そのハウスの維持費やリース代等の負担が重いと聞きます。
(丘陵地でもハウスを建てれば、営農が厳しくなりやすいです。ハウスを中心に農業をする場合は単価の高い作物や反収の良い作物を中心に、切れ目のない栽培をすることを心掛ける必要が出てきます。)

 

丘陵地や砂丘地以外で就農する場合、認定新規就農者の資格を取らない方が良いのではないかと、私は思います。認定新規就農者の資格を取ることで補助金や金融公庫からの融資を受けやすくなりますが、反面、就農5年後に農業所得250万円を達成しなければいけないという目標が課せられます。農業所得250万円というと、売上にしたら1,000~1,300万円ぐらい必要になってくる(作物によって経費が変わる)と思います。これを達成するには、農地を増やして収量を増やすか、売り方を変えるかのどちらかになります。

農地を増やすのは外的要因が大きいので増やし難いですし、売り方を変えるのは簡単ですが、それが売上アップにつながるかは運次第になります。そう考えると、認定新規就農者の資格が足かせになりやすいので、農業で幸せをつかみたい人であれば、認定新規就農者の資格を取らないのは一つの選択肢だと私は考えます。

 

逆に農業で大規模にやりたい場合は、認定新規就農者の資格を取ったほうがいいです。
最初に資本が多ければ多いほど、出来る選択肢が増えます。認定新規就農者の資格を得ることで、お金を工面しやすくなるので、規模を拡大しやすくなります。ただし、農地は有限ですので、最初に大規模化した農家が有利になるため、そこに割って入るだけの知恵が必要になります。

それでは、このあたりで。