ヘタレのやなさん

坂井市三国町で農業をして気ままに生きている記録です

”農業は儲かる”に違和感

最近、考えてしまうことがあります。

 

先日、ひさしぶりにカレッジ同期の友人たちと飲みに行きました。めずらしい友人も参加するとのことで、話をしたいなぁということで行ってきました。

 

めずらしくやって来た友人は、仕事を辞めて嶺南で就農するかもしれないとの事。

もともと大阪から福井へ就業の為、移住してきたのですが、会社の農業部門が解散状況になったので、仕事を辞めることになったらしいのです。大阪に戻ってもいいのですが、せっかく福井へ移住したのだから福井で頑張りたいということで、福井で就農を考えるようになったのだとか。

 

どうも嶺南の方で園芸カレッジみたいな機関が出来る(来年開校らしいです)みたいで、そこでもう一度研修を受けることで、補助金を得て、就農を目指すとの事。嶺南地域の自治体も就農者が増えることを期待しているようで、北部丘陵地以上に手厚い支援があるようです。(嶺南のカレッジみたいな機関の正式な情報は、ネットにまだ無いので、実際に開校するのかは分かりません。)

福井で就農したい人は嶺南で考えるのも悪くないでしょうね。

 

話は戻って。

 

彼はネギで就農したいとの事。ネギは儲かるとのことで、やりたいとの事ですが、どうもみんな就農後の作物はネギになっていっている感じですね。農業をやっていく仲間が増えるのはうれしいことですが、ネギを主としてやっていく人が増えるのは、さみしく感じることがあります。まぁ、儲かるのであれば仕方がないですよね。

 

私の場合は儲かっていない農業をやっているので、農業者としてはダメなんだろうなぁとは思いますが、それでも次の世代へ、やりたい人が出てきたらスタートできる環境を作ってあげたいなぁとは思うのです。

 

少し話が逸れます。

 

先日、梨をやらないかという話がありました。梨畑を手放したい人がいて、梨畑をやってくれる人がいないのであれば、木を切っていくとの事です。梨は植樹してから収穫までに約7年かかります。一度木を切ってしまうと、梨畑を再開するのはかなり難しくなってしまいます。

 

もしやらせてもらえるのであれば、梨をやってみたいとお話はしました。ただ自分が出来る範囲で。最初は小さく2反ぐらいまで。(賃料等を含めて)話の折り合いが付かなかった場合は、仕方が無いので木を切ってくださいとだけ伝えました。

 

私が梨をやりたい理由としては、里親さんと同じような経営形態にしたいという思いが一番ですが、梨をしたいという人が現れた時に継承できたら、と思うのです。木を切ってしまうとそれでおしまい。それよりかは残せる道がある方がいいような気がするのです。

 

そんな話を友人たちに言うと、詭弁だ、農業経営がうまく行っていないのにそれを継承させる行為は残酷だとは思わないのかとか、結構散々な言葉が返ってきました。
(私としては、ネギは儲かる、農業は儲かるといって就農させている方が残酷のような気がしますが)

 

儲からない農業はダメだと一言で言われますが、じゃあ一体いくら儲かればいいのか。私としては、生活が出来たらそれでいいんじゃないかな?とは思うのです。まぁ、もともと”農業は儲からない”として考えていたので、儲からないのは想定内ですし、逆に運よくヒットして稼げればそれはラッキーだと。初めからネギは儲かる、農業は儲かるだとした場合、儲からなかった時の失望感は半端ないと思うのですが、どうなんでしょう?

 

それでは。